Install this theme
アベノ橋ハナノベ東京日記

7/28 水曜
赤坂のスタジオでラジオ『ガイナックス電波』の収録。四時半から打ち合わせのはずが誰も来ておらず、心配になった頃ぱらぱらと集まってきた。ちょっと遅れてサエキトモが登場。五年半ぶりに会うからか最初もじもじしていたが、うん、いや、なんでああいうことになるかな。なんにしろ感激の再会だったのだがぼくが最初に発した言葉は「なんで黒いん?」どいういうわけかサエキは実に健康そうに、真っ黒に日焼けしていた。
『ラジオアベノ橋商店街』の復活番組を収録のあと、ぼくも入って『ガイナックス電波』の収録。終わってからぞろぞろ大勢で赤坂の街を歩いて居酒屋へ。集まった中には久しぶりに会う人も多く雰囲気はまるで同窓会。サエキのぼろぼろの携帯電話は充電コードが刺さったまま抜けなくなっており、松岡由貴さんがスクラッチくじで当てたどでかいストラップをもらったサエキは嬉しそうに充電コードに結びつけていた。みっともないのでやめたら、と忠告したのだがサエキは爆発したロボットみたいな状態の携帯電話を揺すって「ほらほらベッキーみたーい」と意に介さない。
結局朝まで飲んだ。大変だった。

7/29 木曜
赤坂でもう一泊するというサエキ誘って喫茶店でだらーっとしてから、夕方編集者と会って月島へ。この編集さんはコナモン協会の人なのでもんじゃ焼きのおいしい店に連れていってもらう。ぼくはもんじゃ焼きを食べるのは初めて。編集さんの友人の明るい美人さんと三人でもんじゃを食べ、ビールを飲む。へんな食べ物やなあもんじゃ焼きてなんじゃあれ。その後別の店に移動しおしゃれな感じでイベリコ豚とワイン。新書の企画の話も少しする。うまくいくといいなあ。
ホテルに戻って今日は早よ寝るかなとうとうとしていると夜中一時半くらいにサエキから電話。どこへ帰ってええのかわからーん助けてーみたいな。なんかナンパされまくったーとか。足痛いよーというのも。場所を訊くとすぐ近くだったのであわてて雨の中出ていく。大変だった。

7/30 金曜
たぶん明け方寝たと思うが寝付いたかどうかという早朝八時にフロントから電話。何事かと出たら可愛いふりをするときのサエキの声で「あ、哲弥? えっとおー」大変だった。
お昼にホテルをチェックアウトし、サエキとロビーで合流。二日酔いなのであっさりしたものがいいというのでそばを食べ、しばらくサエキの買い物につきあい、というか荷物持ちをし、このあとは互いに反対方向へ向かうから地下鉄の駅までいっしょに行こか言うてるのにホームに入るなり手ぶらのままああこれやこれやとサエキ一人さっさか勝手に乗ってしまいやがってアホかおまえ待てまて待てとあわててサエキの荷物下げていっしょに乗り「あのなーぼくはこれとは逆の方へ行かなあかんのや」「あらー」というわけで一駅分つきあい、次の駅で別れる。とりあえず三重野瞳さんにぼくとデートしてくれるよう頼んどいてくれと言うておいた。嵐は去った。
お茶の水まで行ってホテルにチェックイン。元々の予定では、29日と30日はどかっと暇ができるから、29日はホテルで一日仕事、夜は編集者ともんじゃ、30日は丸の内で『インセプション』見てからホテルにチェックイン、仕事しつつ田中啓文がやってくるのを待つというものであったのだが仕事は一切できず(まあうすうすそんな気はしていたが)映画には行こうと思えば予定よりひとつ遅い時間のに行けないこともなかったのだがすでに出かける根性がなかった。で、ホテルの部屋でひとりぼんやりビール飲んでだらだら。
夕方田中啓文と合流し、秋葉原まで開田裕治さんの怪獣の絵を見にいってからお茶の水のビアホールで飲む。

7/31 土曜

『お江戸deハナシをノベル!』当日。朝十一時頃、田中啓文と二人道に迷い配達中のクロネコヤマトのお兄さんに訊ねてやっとお江戸日本橋亭に辿りつく。もっと華々しい場所にあるのかと思ったらなんか裏通りにひっそりあって意外であった。それにしても蒸し暑い。
楽屋で待っているとそのうち北野勇作、飯野文彦、我孫子武丸、牧野修、太田忠司、浅暮三文と続々到着。せっかく十一時に入ったのに、特にすることはなく開演しても楽屋でだらだら。差し入れもどんどんやってきて我々の楽屋は寄席に関係なくただの宴会場と化す。
楽屋で一日中アホなこと話しつづけた中一番笑ったのは北野勇作の語る、田中啓文が実際に体験した「羊をめぐる冒険」何年かぶりにおしっこちびりそうなくらい笑った。
ときどき舞台の方も聴きには行ってたのだけど、結局「がしんじょ長屋」に圧倒される。あんなことする落語はこれまでなかったのに落語でしかできない表現で、しかもめちゃめちゃおもしろいのである。これは身びいき関係なくほんとうにいろんな意味でものすごい作品だと思う。牧野修もすごいが月亭八天もすごい。創作者表現者として心から尊敬できる作品を身近な人たちが創りあげている現場にいるのは刺激になりますぼくもがんばろう。
こういうイベントはある種お祭りなので、たまにしか会えない人がたくさん集まってくれるのもいいな。柴田よしきさんや井上雅彦さんとも久しぶりに会えた。昼の部のあと図子慧さんに「トーク見てたけど声がいいよね」と言われてえーっぼくの声がですかーと喜ぶ。ラジオで自分の声聞くとなんやこれ気の弱いアホの病人かと思うけどなあ嬉しいなあ図子さん前から思てたけどほんまええ人やなあ。ガイナックスのゆんぴょうさんも来てくれていて、藤原ヨウコウが目撃したという「田中哲弥が楽しそうに話していた可愛い女の子」というのは彼女のことだと思う。夜の部終わったあとはとんでもない美人がいるなあとぼんやり眺めてたらぼくの方へにこにことやってきて大久保町のころからのぼくのファンです実はTwitterでは何度かみたいなことで、こんなに綺麗で感じのいい人がぼくのファンなのかあと舞い上がったので、そのあとそばにいた北野勇作に「今なあびっくりするくらいものごっつい美人がきてな」と言ったら不機嫌そうに「見とったがなあれ誰やねんどういうことやねんなんでおまえばっかりがるるるるる」みたいな感じになっていた。ははは。そういうあのおっさん実はこっそりもててるんやけどなあそれはそれとしていや正直ぼくも驚いた。ああびっくりした。デートの約束はした。
打ち上げは煙もうもうのなか肉焼く店で料理はおいしかったが楽屋でずーっと差し入れの寿司やらカツサンドやら上等のサンドイッチやら金ととやらたねやのどらやきやら最中やら栗饅頭やら超高級マカロンまかろん? まかろんてなによこのまるいくれよんみたいなやつやんとか食べていたので肉はあんまり食べられず。解散後北野勇作田中啓文と三人でどろーっと飲み、田中啓文と二人ホテルまで歩いて、また部屋で朝まで飲む。笑い疲れた一日。こういう日のために人生はあるのじゃ。

8/1 日曜
ホテルをチェックアウトし、ロビーで田中啓文と合流。必殺バイオレンスに暑い中どこで昼ご飯食べるか悩み逃げ込むように小洒落たイタリアンに。二日酔いで食欲がないという田中啓文はパスタを残しておったが元気なぼくでも同様に残してしまうほどあのパスタはゲロマズ。ああびっくりした。
打ち合わせがあるという田中啓文とお茶の水駅前で別れ電車乗り継いで明石へと帰る。帰りの新幹線は混んでいて、隣の席は大きな荷物を足下に置いたサラリーマン風のおっさん。あー無意味に偉そうなおっさんだと気を使ってしんどいかもなあとちょっとふさぎかけたところがこれが気持ちのいい紳士でにこにことなかよく名古屋まで隣り合って座っていた。名古屋で乗ってきた初老のご婦人は笑顔が優しく窓から空を見て「わー綺麗」と思わず言ってしまってからぼくの顔を見て「うふ」みたいな顔をする人だった。
こういう大小併せて幸せなことがどっと集中的に連発すると、こんなに楽しいことばかりあっていいわけがないこれはもうぼく死ぬんちゃうかなと心配になるが常なのだが、アベノ橋のアニメとラジオに関わっていたあのめちゃくちゃにおもろかった日々や消息のわからなかったサエキとやっと再会を果たし濃密に翻弄された三日間のあれこれとか、アホな人たちとアホで素晴らしいことを好きなだけやっておもろいなあ素晴らしいなあ偉いなあと思えるこんなエキサイティングなことがたぶんぼくの人生にはこれからもっといろいろあるに違いないと考えると、今死んだら損やなとも思うのだまだまだこれからの方がおもしろそう死なんとこ。でも刺激に満ちた今回の東京滞在で一番印象に残ったのは結局サエキトモの可愛い笑顔なのだった。というようなことを必ずどこかに書けと本人が言うておったので快気祝い代わりに書いといたらあー。

 
  1. iroha reblogged this from reretlet
  2. goboh reblogged this from reretlet
  3. reretlet reblogged this from tezyatanaka
  4. tezyatanaka posted this